「ネット誹謗中傷」を警察に通報する

犯罪的な誹謗中傷は、警察に被害届

インターネット上で、悪質な誹謗中傷や書き込みをされたときは、警察に被害を届け出ましょう。WEBサイトや掲示板に記載されている内容が、刑法などの名誉毀損罪や侮辱罪、信用毀損罪、業務妨害罪といった犯罪行為に該当すると判断されれば、警察によって捜査が行われる可能性があります。警察が動いてくれれば、誹謗中傷対策が成功する確率が高くなります。

ネット誹謗中傷で最も多いのは「名誉毀損」

ネットの誹謗中傷を警察が摘発する際に、最も一般的な容疑は「名誉毀損」です。名誉毀損は、れっきとした刑法上の犯罪です。ネットの書き込みが名誉毀損に該当すると思ったら、できる限り警察に捜査してもらいましょう。

企業や商店なら「信用毀損罪」「業務妨害罪」

企業や商店(個人事業主)が誹謗中傷の被害にあった場合、適用される罪名は、刑法の信用毀損罪や業務妨害罪、偽計(ぎけい)業務妨害罪です。また、上場企業などであれば、金融商品取引法の「風説の流布」(ふうせつのるふ)が該当する場合もあります。

企業や個人事業主が誹謗中傷対策を進める際には、まず、中傷の内容がこれらの罪に当たるかどうかを考える必要があります。

誹謗中傷対策で、警察の協力を得る

ネットの誹謗中傷の被害について、警察が正式な捜査を経て立件するに至らない場合でも、何らかの協力が得られる可能性もあります。

どこの警察に行けばいいか

ネット誹謗中傷の警察の窓口

ネット誹謗中傷の警察への通報は、通常、各都道府県警のサイバー犯罪相談窓口か、最寄りの警察署に対して行います。

小さな警察署

地方の小さな警察署だと、ネット誹謗中傷関連の犯罪についての専門家がいない場合もあります。すると、対応が難しくなることがあります。そういう場合は、都道府県の県庁所在地にある警察本部のサイバー犯罪相談窓口に問い合わせたほうがいいでしょう。

各県警本部のサイバー犯罪対策室

各都道府県の警察本部には、「サイバー犯罪対策室」(通称・サイバーポリス)という部署が設けられています。サイバー犯罪対策室では、パスワードを盗むといった不正アクセス事件や著作権侵害のほか、ネット上の誹謗中傷、名誉毀損、重大なプライバシー侵害などの事件も扱っています。

東京なら「警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課」

東京都内を担当する警察は「警視庁」です。東京都民がネットで誹謗中傷されたら、警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課などに相談するといいでしょう。東京以外でも、各道府県ごとにネット犯罪担当部署がありますので、遠慮せずに相談しましょう。

<全国の各都道府県の警察の誹謗中傷などの捜査担当>

・東京都・・・警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課、各警察署の生活安全課、刑事組織犯罪対策課知能係

・大阪府・・・大阪府警生活安全部、各警察署の刑事課強行犯係

・愛知県・・・愛知県警サイバー犯罪対策課、各警察署の刑事課知能係

・福岡県・・・各警察署の刑事第一課

・埼玉県・・・埼玉県警本部サイバー犯罪対策課、各警察署の生活安全課

・神奈川県・・・各警察署の刑事第二課知能犯係

・茨城県・・・茨城県警の生活安全部生活環境課サイバー犯罪対策室

・兵庫県・・・各警察署の刑事第一課、生活安全課、生活安全第一課生活安全係

・新潟県・・・生活安全部生活保安課サイバー犯罪対策室

・北海道・・・各警察署の刑事第一課強行犯係

・長崎県・・・各警察署の生活安全課

・沖縄県・・・沖縄県警察本部生活安全部生活保安課

・宮崎県・・・各警察署の生活安全課

※以上のリストは、あくまで一例です。警察のネット中傷の担当部署は多岐にわたりますので、その都度、ご確認下さいませ。

全国の都道府県ごとに対応は異なる?

日本の警察組織は、全国の都道府県ごとに別の組織となっています。ネット犯罪についての警察の捜査力や対応は、各都道府県の警察によって異なることもあるようです。一般的には、たとえば北海道警察は、ネット犯罪で多くの実績を挙げていると言われています。とはいえ、被害者が住んでいる都道府県とは別の警察に被害届を出すのは、事実上、困難なようです。

全国の警察のサイバー犯罪相談窓口の一覧は、こちらです↓
http://www.npa.go.jp/cyber/soudan.htm

警察への被害届の準備

警察に相談する際に用意するもの

誹謗中傷のページをパソコンで印刷

ネット誹謗中傷の被害について警察に相談に行くときは、中傷の内容が記載されたページの画面をプリントアウト(印刷)しておきましょう。そのページのアドレス(URL)も記録しておき、持参する必要があります。対応した警察官がすぐに被害状況を確認できるようにすることが大事です。

警察の窓口のネット中傷の対応

一般的に、警察は、ネットの誹謗中傷の捜査にはあまり積極的ではないと言われてきました。それは、ネットでの誹謗中傷を取り締まるための法律の整備が十分に進んでいないことが理由として考えられています。また、ネットでの中傷は、被害実態が見えにくいことや、犯人の特定が難しいことも、背景にあるようです。

ところが、最近は、警察が誹謗中傷の削除に協力してるようなケースも増えているようです。

誹謗中傷事件は、警察で受理される?

ネット中傷の被害にあったら、警察に被害届や告訴状を出すことが可能です。ただし、被害状況が不明だったりする場合などは、受理されないこともあるようです。警察は、法律や状況をふまえ、ケースバイケースで対応するようです。

「言論の自由」「民事不介入」

特定のお店に対する口コミの批判などは、「言論の自由の範囲内」と判断され、捜査の対象にならないことも多いようです。

粘り強く被害を訴える

ネットでの誹謗中傷は、被害にあったご本人にとっては、一生を左右するような深刻な問題です。対応してくれた警察官が対応に消極的であっても、粘り強く被害の深刻さを訴えてみましょう。

こんなとき、警察の力が助けになる(誹謗中傷対策と警察)

警察に届け出るメリット

削除がスムーズに

ネット誹謗中傷の被害を警察に通報するメリットは、強制力があることです。警察が介在することで、掲示板などの管理人が逮捕を恐れて削除に応じる場合があります。 個人や民間企業自らの誹謗中傷対策では、限界につきあたることもありますが、警察の協力があれば、話が進みやすいようです。

「2ちゃん」への削除依頼文書では、「警察に相談中」「警察に通報済み」はNG

ただし、「2ちゃんねる」への削除依頼では、「警察に相談中」と記載すると、「証拠保全」を理由に削除を拒否されてしまうことがあるので、注意しましょう。

警察の介入で人物特定

また、掲示板などに中傷を書き込んだ人物がだれか分からないとき、警察を通すことで、人物を特定できる可能性が高まります。犯人が特定できれば、刑事告訴がしやすくなりますし、民事訴訟で損害賠償などを求めることもできます。

警察とIPアドレス(発信者情報)の特定

掲示板などで誹謗中傷の被害にあったら、掲示板管理人に対して、「発信者情報」の開示を求めることができます。

サイト管理者、そして通信会社やプロバイダーへ

発信者情報とは、書き込みを行った個人の氏名やIPアドレスなどのことです。 サイトの管理者が氏名などを把握していなくても、IPアドレスが分かれば、そのIPアドレスを通信会社やプロバイダーに持っていき、個人を割り出すことが可能です。

捜査関係事項照会書

IPアドレスから個人を特定するにあたっては、警察から「捜査関係事項照会書」を出してもらいます。 そうすることで、加害者の個人を特定しやすくなります。

2ちゃんねるの「7日間ルール」スレッドとは

掲示板「2ちゃんねる(2ch)」では現在、「7日間ルールスレッド」というページが設けられています。

この7日間ルールスレッドとは、警察が2ちゃんねるの掲示板で犯罪的な書き込みを見つけ、2ちゃんねる管理人に削除を要請したときに、その内容が公開されるスレッド(板)です。

実際には、IPアドレスが開示されないことが多い

7日間ルールスレッドで警察がIPアドレスの開示を求めてから7日間で、だれからも反論がなかった場合は、IPアドレスが公開されることになっています。

しかし、実際には、第三者から何らかの反論が出されて開示が見送られるケースが多いです。また、反論がなくても、2ちゃん管理人がIPアドレスを保存していないため、結果的に開示されないこともあります。

「7日間ルール」に基づく警察からのIPアドレス開示の要請板↓
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku2ch/1358672067

「7日間ルール」に基づくIPアドレス開示要請の結果板↓
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2ch/1338955111

インターネット・ホットラインセンターとは

わいせつ画像の掲載などネット上の違法・有害情報は、警察庁の委託先の民間団体「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」(http://www.internethotline.jp/index.html))に通報することができます。

被害者からの申告内容に応じて、電子掲示板等の管理者やプロバイダへの送信防止措置または削除等の依頼が行われます。

名誉毀損やプライバシーの侵害については、基本的にはホットラインセンターの業務外ですが、通報があった場合には、法務省人権擁護機関への情報提供などが行われます。

なお、インターネット・ホットラインセンターへの通報は、電話相談では受け付けておらず、ウェブページの専用フォーム(https://www.iajapan.org/hotlinecenter/illegal-full.html)からの通報になります。

関連リンク

警察に通報する

WEB広報

WEB広報誹謗中傷対策室

WEB広報誹謗中傷対策室では、悪質で緊急性が高いネット誹謗中傷については、警察や法務局などの関係当局に通報させていただくこともありますが、法的な事務等は一切行っておりませんので、被害にあわれている方は、直接、警察や弁護士等に連絡し、ご相談下さい。